介護職のやりがいと苦労

その施設は全国的にも名の知れた施設で、私が勤めていた場所は入浴サービスありの1日店員10名程の小規模のデイサービスでした。
介護度も支援1〜介護5まで幅広く、車椅子の方や軽度認知症の利用者、支援が付いているがほぼ自立している方まで様々でした。

 

介護職に携わる中でのやりがいは、定番ではありますが利用者様の笑顔が見れたときです。
利用者様の背景も様々で、全員が全員自ら望んで施設に来たわけではありません。
介護者の負担を軽減するという名目で施設利用をする方が大半でした。
まだまだ気持ちは若く、だからこそリハビリと題した体操や手先の訓練も兼ねた創作活動など「何故こんな子供っぽいことをしなくてはいけないのか。」と憤り、不満を露わにする方もいました。
そうした方達の気持ちを汲み、まずはお話しからでもと、スタッフや他使用者様の輪に少しずつ加わることで、自身の気持ちと折り合いをつけてくださる方が多くいました。
後々お話しを聞いてみると、確かに若い頃に比べて出来ることが少なくなってきたということ、同居している家族との関係性に居心地の悪さを感じているなどの悩みを抱えており、だからこそ同じ境遇の方々や、孫や子供世代のスタッフと話し、相談することで、意地になっていた気持ちが薄れていくと笑顔でお話ししてくださった際は、なんとも言えない喜びが芽生えました。

 

また、苦労したことと言えば、やはり人間関係でした。
利用者対利用者であったり、家族対スタッフなどの様々な場面での人間関係においては神経を使ってきました。
認知症を患っている方は外見こそ普通なのですが、一般的には分かりずらく、また認知症に対し正確な知識を持っていないとトラブルに発展しやすい病気だと思います。
「あの人ずっと同じことを言ってる。」「あの人私を泥棒扱いする。」など、利用者間でのトラブル回避のためにスタッフが常に間に入ることや、テーブル席の配置など、気をつかっていました。
また、盗難や紛失も同様に発生してしまう為、貴重品の持ち込みなどはしないよう契約時に本人、ご家族を交えてしっかり話し合うようにしていました。

 

介護職が不足している現代です。労力に見合わない賃金や、体力勝負の仕事なので離職率が高いですが、明日は我が身と考え、残り少ない人生をいかに輝かしいものに出来るか、楽しい思い出を残せるか、病気の進行を少しでも食い止めたいという気持ちを明確にすると、とてもやりがいのある仕事だと私は思います。